今から始めよう! エビスト ゲーム開始後の攻略
今年の5月でアプリのリリースから3周年を迎えるエビスト。5/12に3rd Anniversary スペシャルイベントの開催が発表されました。
【重大発表】
— 【公式】8 beat Story♪ (@8beatstory) January 16, 2019
3rd Anniversary Special Event
「Standing on the Stage」開催決定!!
日時:2019年5月12日(日)
時間:第1部15:00 / 第2部18:30
出演:8/pLanet!! 理事長
会場:ニッショーホール
最速先行開始しました!!
▼チケットhttps://t.co/NLgfW0HmwO
▼HPhttps://t.co/RJBVrtJAS4#エビスト pic.twitter.com/736j9ZC2OG
詳しい内容は明かされていませんがライブと銘打たれていないことやこれまでのイベントの作り方から、ゲーム内のストーリー展開を踏まえた朗読劇とミニライブを中心に披露するものになるのではないかと思います。4ヶ月前から告知されるあたり重要度では過去のライブと同等でしょう。ライブじゃないからと言わず、ぜひ多くの人に見てもらいたい。
第1回リーディングイベントや『歩み』での朗読劇、そして2_wEiライブでは、歌って踊るだけではない、声優がキャラクターを演じる生の姿を見せてくれました。芝居を見る体験としても、物語性のあるキャラクターコンテンツとしても充実したイベントを期待したいと思います。中身はその日にならないとわからないのですが。
そんな5月のイベントに向けてエビストのメインストーリーをぜひ読んでもらいたいということで、ゲーム序盤の効率的な進め方を考えてみます。(全章のあらすじをここから読むこともできます http://chronus.8beatstory.jp/story/ )
- 0.目標
- 1.ゲーム開始時のガチャ
- 2.ゲームが始まったら
- 3.編成と強化
- 4.同属性EXPERT、全曲HARDでランクSを目指す
- 5.全曲EXPERTでランクSを目指す
- 6.番外編:2_wEi曲
- 7.その他の役に立つ情報(思いついた時に追記します)
0.目標
ゲームの目標はいくつか設定できます。
1.メインストーリーを進める
2.キャラストーリー・2_wEiのサイドストーリーを進める
3.遊べる楽曲を増やす
4.難易度HARD/EXPERTでスコアSを取れる編成を作り、イベントを効率よくこなせるようにする
1~3はそれぞれ「ライブ=音ゲーの通算プレイ回数」「ライブ等で得られるストーリーptを消費」「プレイヤーランク」によってアンロックされる仕組みになっていて、つまりライブを遊ぶことが全てです。それだけでは記事にならないので並行してなるべく早く4を目指します。
多くのスマホゲームと同様、エビストもなるべく高難度で高いスコアを取ることで高効率でゲーム内のイベントを攻略できます。
ここで最終的な結論を述べると、ある程度の編成ができた後はイベント報酬のSRを狙いにいくのがおすすめです。この攻略ではほとんどガチャを引かない前提でゲームを進めますが、引けば引くだけスコアSを取るまでの時間を短縮できるのも確かです。
1.ゲーム開始時のガチャ
チュートリアルに組み込まれている、何度でも引き直せるガチャです。いわゆるリセマラに相当します。しっかりURを引いておきたい。おすすめは属性キュート(ピンク色)のUR。メインストーリー序盤、第3章・第4章の報酬が揃ってキュート属性なので相性が良く、リーダー効果で強化できます。このURを主力に進めます。*1
キュートUR 【水着】ゆきな を引きました。かわいいですね。
イラスト左下が属性アイコンです。ライブスキルはスコアアップ・コンボアップ・スコアプラスのものがおすすめ、リーダー効果はパフォーム・ボーカル・ビジュアル・オールどれでも大差はないと思われます。
ちなみにこれを引いた回数が学級日誌の実績にカウントされているみたいで、50回引き直すとメニュー「学級日誌」から強化プログラムS(育成アイテム)がいくつか貰えます。
2.ゲームが始まったら
ガチャで得たURをリーダーに編成してライブをやりましょう。最初からHARDやEXPERTをやってもスコアランクが低くなって報酬アイテムが減りますし、スタミナ消費が少なく回数をこなせる分メインストーリーも開放できるので、おすすめはEASYとNORMAL。第3章の報酬SR:【修行の成果】メイを目指しましょう。比較的すぐに手が届くはずです。
ライブ報酬で貯まった衣装・アイテム・友情ポイント・コインを使って手持ちの編成を強化していきます。
3.編成と強化
ⅰ.チーム編成
まずリーダーにしているURと同じ属性で他の7人も揃えるところから。同属性のボーナスが入ってスコアが上がります。URのリーダー効果はかなり強力なので、異属性の楽曲を選ぶ時でもゴリ押しした方が良いスコアが出る事が多いです。他属性のURを入手するまでは属性キュート一本に絞る方針で考えます。
キュートのメンバーで揃えました。ちょっとレベルが上がっていますがこんな感じです。
ⅱ.メンバーの衣装を素材にして強化レッスン
あまり効果が高くありませんし、レベルが高くなるにつれてコイン消費量が増えていきます。数合わせのN衣装を少し強化する程度に留めておく方が良いと思います。
ⅲ.強化プログラムで強化レッスン
レベルアップはこれがメインです。強化プログラムは時間限定の強化プログラムタイムでのライブ報酬・友情ガチャ・コインショップでゲットできます。UR・SRを優先、いずれ使わなくなりますが編成に入るRもケチらずに育てましょう。
ⅳ.友情ガチャを引く
ライブのコンボ報酬などでまとまった友情ptが貰えるので遊んでいるうちにそこそこ貯まります。排出されたN衣装は強化素材にするかお別れして換金、属性が同じR衣装は編成に入れ、スキルUPマイクはUR衣装に使っていきましょう。
ⅴ.コインショップでアイテムを買う
序盤の攻略上、これを上手く活用することがかなり重要です。楽曲を攻略していくと自然とコインが貯まりますが、これでアイテム等を買うシステムです。
TOP画面ショップ→コインショップ プログラムSを9個でURをレベルMAX=70にできます
主に強化プログラムSを買って育成に使います。50,000コインは高く見えますがここ以外にコインを使う場所はほとんどなく、序盤はアイテムに困りがちなのでできる限り交換しましょう。スキルUPマイク+は入手数が限られているので余裕があれば買っておくといい。
強化プログラムタイムとBITフェスタmini(ライブ報酬が豪華になる)、親密度UP1.5倍、ストーリーptUP1.5倍は1時間限定ですが、イベントを走る時に使うと有効です。ストーリーptUPは10,000/50,000コインと比較的安いので気軽に使っていくとキャラストーリー開放も早くなります。
ⅵ.進化レクチャー
進化アイテムを揃えてメンバーを進化させると能力値とレベル上限が上がります。ところが改めてゲームを始めてみるとなかなかアイテムが揃わない。ライブで手に入りますが結構な数が必要なので進化させるのはひとまずSRとURのメンバーに絞っていく方が良いでしょう。
進化アイテムはイベント:BITフェスタの報酬にもなっていて、ライブで貯めたポイントと交換できます。
良いイラストです。進化+レベルMaxで未進化UR相当の能力になりました。親密度Maxで更に伸びます。
ⅶ.スキルレベルを上げる
ほぼおまけですが、効果はあります。スキルレベルを上げるのはURとSRの衣装に絞りましょう。
URはスキルマイク2種を使って上げ、SRはガチャやライブ報酬で出た余剰のR衣装を強化素材にして上げるのがベターかなと思います。スキルレベル1から2に上げる場合、R衣装を素材にすると1枚につき15%の確率、つまり7枚あれば確実に上がります。
…と思ったのですが、URを8枚揃えるまではかなり長く、SRが編成に入る時間も同様なので無印のスキルマイクならばある程度使ってしまってもいいでしょう。
ライブを繰り返してストーリーを読んだりしながらアイテム等を集めていきます。
4.同属性EXPERT、全曲HARDでランクSを目指す
何度かi~ⅶを繰り返し、私の場合はこういう編成になりました。
ストーリー報酬の【修行の成果】メイを使っています。
ゲスト・フレンドのリーダー効果も合わせて(属性一致、レベルが高い、URをリーダーにしている人を選ぶ)*2総合値120,000程度を確保すればスコア150,000は期待できるので、全タイプ楽曲(ファンタジア、カナエルミライなど)と同タイプ=キュート曲の楽曲のHARDでスコアSを取れます。曲によってはランクSに170,000以上必要なものもありますが、曲を選べばイベントでもある程度効率良くポイントを稼げるはずです。
他属性ではまだHARDのスコアSには届きません。もっと強化を進めてみます。
【修行の成果】メイと第4章読了報酬【心にアクセサリー】杏梨(通算50回弱のライブクリアで届きます)を進化。友情ガチャで出たキュートRを追加、コインショップの強化プログラムで全員のレベルを上げました。あとはほんの少しだけスキル上げをしています。
『ファンタジア』『カナエルミライ』『BoyFriend』のEXPERTのスコアSは223,000点の設定になっており、総合値150,000でどうにかそこまで届くというところまで来ました(左)。240,000〜270,000点必要な曲もあり、そこにはまだ届きませんね。
キュート以外の楽曲では総合値137,000。HARDでのスコアSをほとんどの曲で取れるようになりました(右)。コンボ数によってもスコアが変わりますし、どの程度の総合値が必要かは人によりますので目安程度に。
より多くの曲のEXPERTでスコアSを取るため、ここからの上積みをどうするかになってきます。
5.全曲EXPERTでランクSを目指す
ここからはそれなりの時間が必要になるので気長にやりましょう。EXPERTのランクSは240,000点か270,000点に設定されていることが多いのでこれを目指します。
ⅰ.手持ちのRを進化させる
お手軽で早く確実です。UR1/進化後SR2/進化後R5の編成で総合値180,000を確保できる(左)ので全タイプ曲・キュート曲なら240,000点は出せます。URも進化させ強力なゲストを選べば(右)総合値を200,000近く確保でき、コンボ次第では270,000点に届くはずです。ただ異属性でのスコアSを取るには心許ないかもしれません。
ⅱ.イベント産のSRを入手する
『そらまめ』イベントの達成報酬+ランキング、BITフェスタの交換対象として入手できます。SRの頭数を揃えるには最も良い手段です。おすすめ。ただ希望の属性の衣装が報酬になるとは限らないのが難点。
進化後のSRを7枚編成しました。全タイプ・キュートはもう問題なさそうです。中の画像は異属性の曲での数値ですが総合値200,000弱を確保できたので270,000点を狙えます。右は進化済みのクールSRを8枚編成してクール曲を選んだ時。これも総合値200,000あるので270,000点に届きます。
結論:イベントSRは積極的に揃えよう!
イベント賞品のガチャチケットも確実性があるのでおすすめです。BITフェスタで頑張ればURチケットも交換できます。
ⅲ.ガチャを引く
間違いなく手っ取り早いのですが何が出るかは当然分からない。引き時はUR確率が1.5%から3%にアップする限定衣装登場期間です。URチケットパックが販売されるので課金のタイミングとしてもここです。イベントで石を割るつもりがなければ、ストーリー読了石を費やしていいでしょう。
さて、これでほとんどの曲でランクSを取れるだけのチームが作れたと思います。ひとつのゲームクリアと言い換えてもいいでしょう。ここから更にURの枚数を増やしたりスキルアップを重ねることで難度MOTHERでのスコアSも見えてくるはずです。
イベント期間にライブ回数をこなせばストーリーも開放されますし、チームの強化をしながら5月のイベントを楽しみに待ちましょう!
6.番外編:2_wEi曲
2_wEiの楽曲も当然遊びたいわけですが(ライブ→限定楽曲で飛べます、念のため)、なんと2_wEi曲に8/pLanet!!メンバーで挑むとメンバーの総合値が半減してしまいます。2_wEiで8/pLanet!!の曲をやると逆のことが起きます。
UR8枚でも総合値180,000という有様です。右は2_wEiのSRで8枚。
現状、2_wEiの衣装はイベント報酬SRとガチャ専用(期間限定)URに限られているのでそれなりのスコアを出すにはこれしかありません。イベントをやりましょう。アルバム『Throne of Despair』からは『Green Cat』『Pain - pain』がまだ実装されず残っていますのでチャンスです。
7.その他の役に立つ情報(思いついた時に追記します)
・金曜日はライブで得られるコインが2倍
・水・土・日曜日はライブでの経験値が1.2倍
・Live設定→ProモードをONにすると判定が厳しくなるがライブでのコインが1.2倍
・ホーム画面+寮でメンバーのふきだしをタップすると経験値GET
・上限突破アイテムは貴重なのでURに使おう
・攻略wikiもぜひ参考にしましょう。
最後になりましたが吉村那奈美さん&源氏ほたるちゃん、誕生日おめでとうございます。ここでは彼女の可愛いボーカルが特徴的な『秘密の部屋の女の子』『Fluffy Balloon』を紹介したいと思います。
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— 【公式】8 beat Story♪ (@8beatstory) January 20, 2019
Happy Birthday 源氏ほたるちゃん(CV.吉村那奈美さん)!
お誕生日をお祝いして、ゲーム内でコアジュエルをプレゼント中!
限定楽曲や限定衣装の追加、強化イベント開催、記念パックも販売しています!
期間中ガチャUR確率も3%にUP!!
お誕生日イラストも届きました!!#エビスト #ハニプラ pic.twitter.com/1LghmwTRgs
誕生日イラストは全部かわいい。
上限突破イベントの攻略は上記wikiを参考にどうぞ。
今から始める 8beatstory♪ の手引書
はじめに
これは山下七海さんの加入に合わせて書いた記事ですが、2019年10月の現状に合わせていくつかの部分を修正しました。
楽曲、ライブ、ストーリー、声優個人…と多面的な楽しさが見つけられるのが8 beat story♪ というコンテンツです。興味のあるところから読んでもらえればと思います。
本記事はどういうコンテンツというものになりますので、ゲームの攻略はこちらの記事をどうぞ。
0.概要
8beatstory♪はスマートフォンアプリのリズムゲームを展開の中心に据えた、いわゆる2.5次元アイドルもののコンテンツのひとつです。ストーリー面の特色などは後述しますが、出演声優によるライブイベント、CDやグッズ類のリリースイベントを積極的に行っています。
楽曲リリースの速度も特徴で、2016年のリリースから2018年末までの期間で70曲弱が存在しています。楽曲販売はCDよりも配信が中心。ゲーム内の楽曲選択画面からiTunes Store等に移動できるようになっています。
公式Twitter
現状、アプリ内・リアル両面のイベント告知はほぼ全て公式Twitterで行われています。情報が流れてしまいがちですが、これをチェックしておけばまず情報を見逃すことはありません。
公式サイト
率直に言って更新頻度が高くありません。しかし重要なメインストーリー全編のあらすじやキャラクター・キャスト紹介等が掲載されておりざっくり情報を得るために有効です。アプリのDLもこちらからどうぞ。
公式YouTubeチャンネル
楽曲の試聴ができるほか、ライブ映像のダイジェストもあります。
アルバム
・8/pLanet!!『8/pLanet!!』
8/pLanet!!の「8/pLanet!!」をiTunesで
・8/pLanet!! Best Album『8』(CD媒体のみ)
・2_wEi『Throne of Despair』
手っ取り早く楽曲を知りたい方はまずこちらのアルバムを手にとっていただくと良いでしょう。
8/pLanet!!の2枚には被りがありますが(BoyFriend/君はレモネード/ファンタジア/スクールディスコ/BLUE MOON の5曲)ライブでの定番を押さえていますし、2_wEi『Throne of Despair』は現時点の全曲を収録(その後配信楽曲が増えています)両ユニットの特徴が掴めるアルバムになっています。
当ブログには楽曲紹介の記事もいくつかあるので購入の参考になれば(いきなり全部買うと大変です)幸いです。サブスクリプションサービスに対応すると嬉しいのですが。
8/pLanet!! + 2_wEi 今週はこれを聴け!! #4
ライブのダイジェスト映像も埋め込んでおきましょう。
全部見たくなったら、円盤を買おう!
1.映像ソフト
いきなり!? でもここから入るのが一番とっつきやすいと思うんだよな。
1st Live (DVD)
アプリの始動から半年も経たない時期に開催されました。結構短いですがここでしか映像になっていない曲もあります。
2nd Live (DVD)
Sweet/Bitterというコンセプト違いの2部構成のライブ。私は1stにも行きましたが、ここから本格的に引きずり込まれるある出来事がありました。
3rd Live (Blu-ray)
初の生バンド導入。楽曲世界をステージ演出や衣装も含めて再現する形が明確になり、非常に充実感のあるライブでした。www.phonon-seiyu.com
4th Live (Blu-ray)
2_wEiの初登場が大きなイベントとしてあった4th Live。3rdで作った方向性を引き継ぎつつ、ライブバトルを意識したセットリストなのか、ハードめな楽曲やサイバー感のある衣装が特徴。楽しいです。
ハニプラTV (DVD)
8/pLanet!!が登場する声優バラエティ番組です。DVD未発売の2ndシーズンがありますが、そちらはニコニコ動画PHONONチャンネルで有料コンテンツとして楽しめます。同チャンネルでハニプラTV2として復活。隔週で配信されています。
2_wEi 1st Live (Blu-ray)
物語の延長上としてあるライブ、声優がキャラクターを演じきるライブ、というものを突き詰めたもの。激しい感情を歌い上げる表情のひとつひとつにアルミとミントの存在を感じます。全6回あった最後の公演を収めたもので、パフォーマンスとしても成熟しています。
Gt.山本陽介、Ba.二家本亮介、Dr.青山英樹のバックバンドの音も大迫力。時間的には1時間とコンパクトですがおすすめです。
まいちゃ らなちゃの2_wEi旅(DVD)
2_wEiのキャストの2人、野村麻衣子と森下来奈が日本各地を観光する、ただひたすらゆるい映像コンテンツ。
ライブでは一貫してキャラを演じる一方こちらはほぼ「素」の2人が見られて対照的で面白い…と考えることもできるが、それ以前に声優映像コンテンツとしておそらくギリギリの強烈なゆるさに面食らうだろう。ぼけっと流す映像として最適。
石川編以降は着物や袴などに着替えるのが恒例化している。
香川、石川、神戸、宮崎編がそれぞれ発売中。
映像としてのあまりの迫力にブログを書いたので、その異様さの一旦でも伝えられるとよい。
2.ストーリー
次にストーリーです。
現実でのライブ活動も絡めた2.5次元アイドルものの系譜に入れることができるエビストですが、ストーリー上の設定では職業としてのアイドルものではありません。物語の舞台は2031年。音楽制作AIが作った音楽が支持されて人間の音楽は脇に追いやられている中、ひとつの学校に集められた8人の少女がバーチャル空間での機械とのパフォーマンスバトルに挑みます。8人のうち1人は音楽の消えた未来からやってきたアンドロイド。ターミネーター2だとはよく言われることです。
プレイヤーはその学校に先生として赴任し、彼女たちをまとめ上げてパフォーマンスの指揮を執る「ビートマネージャー」という役割を与えられます。使命は人間の音楽の未来を守り、作ることです。
そんな芸術SF的な舞台設定で音楽を愛する女の子たちの物語が進行しています。ビジュアル面は女児向けアニメのようなカワイイ方向性ですが、シリアス度の高いシナリオも展開されます(特に8~9、11~12章)。
2018年から敵方の2人組アンドロイド「2_wEi」(ツヴァイ)が登場。彼女たちの内面にスポットを当てたストーリーも公開されています。「絶望」をテーマとした非常に重たい内容です。
現実のライブイベントとの関係についても書いておきます。
こういうコンテンツのライブの作り方としてはアニメ等の作品世界の再現やクオリティを追求した音楽ライブとして仕上げるものがあると思いますが、近頃のエビストでは作品世界のストーリー展開の地続き、拡張としてライブイベントが位置付けられています。最新のストーリーの内容を踏まえた演出が取り入れられることが多く、ライブがストーリーの大枠の中に存在しているとも言えます。
パフォーマンスとしては勿論、コンテンツもののライブとして演出面でもかなり凝った作り込みがされており、新鮮な印象を残してくれます。
2_wEiのワンマンライブにそういったコンセプトが強く現れていました。
君は2031年を体感したか。2_wEi 1st Live "Driven to Despair" 感想 - nozzey19の日記
もうひとつ、ストーリーや楽曲から見えてくる作品性について書いたものがありますので読んでいただけると嬉しいです。長文です。
8 beat story♪と「想いを届ける」歌 - nozzey19の日記
3.声優編
キャラクターと出演声優の簡単な紹介です。ライブ等のイベントに出演するのは主人公サイドの8/pLanet!!とライバルの2_wEiで、それ以外のキャストのイベントや番組での出番はスポット参戦のようになっています。
どれだけ計算されたものなのかは分かりませんが、アプリがスタートして2年半、キャラクターとキャストの人間性まで考慮して起用されているのではないかと思うほど両者の共通性が強く見えるようになってきました。同じ時間を過ごしてきたチームとしての結束の強さも感じられます。
8/pLanet!!
桜木ひなた:社本悠 @ShamotoHaruka
無邪気で楽しげな歌声、感情表現が豊かな8/pLanet!!のセンターです。社本さんは『若おかみは小学生!』(TV/映画)等に出演して経験を積みつつ、ゲーム『消滅都市』派生のアイドルユニット『SPR5』でもセンターを務めています。同タイトルのアニメにも出演するようです。2.5枚目になれるというか、笑いのメンタリティを感じます。しゃもさん。
水瀬鈴音:吉井彩実 https://ameblo.jp/minipico01/ →天野聡美
ふんわりと優しげな歌声が魅力。鈴音は桜木ひなたと同じ2年生。吉井さんが『8/pLanet!!』というユニットの名付け親です。『Tokyo 7th シスターズ』の『Le☆S☆Ca』での活躍は皆さんもご存知ではないかと思います。こちらではおっとりした役柄で、ライブでもしなやかなパフォーマンスを見せてくれます。
2019年3月に吉井さんが引退・卒業。後任のキャストに天野聡美さんが起用されました。さとちゃん。これまでの声のイメージをしっかり押さえつつ、内向的な特徴が出ていると思います。エビストニュースでおたよりに書かれた絵文字をジェスチャーで表現しながら読み上げる姿が目に焼き付いています。
神楽月:吉岡美咲 @staff_m_i
アタックの強い元気な歌声の2年生。神楽月はダンスが得意ですが、吉岡さんにはむしろボーカルの方に強い魅力を感じます。1月放送開始の水島努監督作品『荒野のコトブキ飛行隊』に出演が決定。イベント等では楽しい人柄を見せてよく笑わせてくれます。和氣あず未さんととても仲がいい。
橘彩芽:青野菜月→山下七海 aishite773 (instagram)
凛々しく伸びのある歌声、キレと表現力を備えたダンスを見せてくれた青野さん。我々には見えない舞台裏でも献身的にユニットを支えてくれましたが、12月をもって引退・卒業となりました。今後彼女の姿を見られなくなることは残念でなりませんが、これからエビストを始める方にもライブDVD/BDでぜひ見てほしいと思います。メタラーです。橘彩芽は8人の厳格なリーダーで生徒会長。3年生。
山下七海さん。ななみ被りのため、エビストではなーちゃん。青野さんと比べて声のキャラクターは変わりましたが、彼女らしい橘彩芽像をしっかり作ってくれています(特にメインストーリーを聞くとそう感じます)。天野さんと並んで参加楽曲はまだ少ないですがこれからがとても楽しみ。
はっきり言って僕は山下七海のココどこ???ファンです。
姫咲杏梨:美波わかな(金魚わかな) @gyogyo0301
杏梨は彩芽と切っても切れない関係の3年生。どこか癖のある、ウェットな歌い方が魅力。『BoyFriend』『全部、君のために』の落ちサビが白眉です。ライブでの感情表現も素晴らしいです。『新幹線変形ロボ シンカリオン』では主人公・早杉ハヤトの妹として準レギュラー。『ポケモン』アニメにも出演しています。金魚は本名。事務所移籍に伴い芸名が美波わかなになりました。
星宮ゆきな:和氣あず未 @azumi_waki
メンバーで一番幼い声音、元気だけど寂しがりの面もある。1年生です。和氣さんのTVアニメ等での活躍は私が語るまでもありません。リリース当初は『あにトレ!EX』の人という印象でした。多忙でしょうからエビストのイベントに参加する機会は多くないのですが、ライブではそんな事を感じさせない眩しいパフォーマンスを見せてくれますし、告知番組エビストニュースでお菓子を頬張る姿は星宮ゆきなそのものです。
源氏ほたる:吉村那奈美 @nanami_y0121
ふにゃっとした歌声が魅力の1年生。吉村さんも『新幹線変形ロボ シンカリオン』に出演。山形出身の方言演技も活かしながら、山形新幹線のシンカリオン E3つばさの運転士・月山シノブとして活躍しています。メンバーの中で年長ということもあってかしっかりしたところが見えますし、ツッコミに回るシーンをよく見ることができます。
メイは音楽を救うべく未来からやってきたアンドロイド。1年生です。アンドロイドということもあり感情的にフラットな、しかしその芽生えもある歌を聞かせてくれます。やや掠れた成分のある声が可愛いです。澤田さんはしょっちゅう社本さんと一緒にご飯を食べに行ったりしています。『ハイスクール・フリート』では砲雷科の小笠原光を演じました。また、金魚さん吉岡さんと揃って『温泉むすめ』に出演しています。
2_wEi
虎牙アルミ:野村麻衣子 @maikonomura102
ハードな音楽性で作られている2_wEiの楽曲に力強いボーカルを乗せてくれる野村麻衣子さん。ライブでの迫力も役柄に負けないリアリティが出ています。『Tokyo 7th シスターズ』では『Queen of Purple』のメインボーカルを務めていますし、彼女の歌のパワーを知っている方も多いと思います。Instagramでよく歌をアップしているように歌が好きな野村さんですが、アルミは設定の根幹がまさしく「歌」のキャラクターで、この巡り合わせに何かミラクルめいたものを感じてしまいます。夏が好き。
虎牙ミント:森下来奈 @rana_morishita
姉・アルミとは違う少し柔らかい声質でバランスを取る妹・ミント。森下来奈さんはナレーション等の仕事をやってきた人で、アニメ・ゲーム関係ではエビストが初めてでした。『アイドルマスター シンデレラガールズ』に出演したことで知ったという方が多いでしょう。2_wEiのライブはMCも含めて最初から最後までキャラクターを演じきるという大変そうなステージでしたが、コミカルで可愛いミントでも悲劇的な背景を持ったミントでも説得力のある芝居を見せてくれました。特撮やMARVELが好き。和氣さんと同じ俳協 華の5人組のひとりです。
その他のキャスト
脇を固める意図もあるのでしょう、より実績のある方が起用されています。リアルイベントでの出番は稀で(立花理香さんが一度出演した程度)、現状ではストーリーやライブでのナレーションでの声の出演、エビストニュースのゲストに出番が限られています。
白鳥・ロクサレーヌ・慶子:立花理香 @RiccaTachibana
主人公サイドの学校、音の杜学園の理事長です。メイとのデュオで歌う曲があります。
空乃かなで:大橋彩香 @AyakaOhashi
バーチャル空間から現実空間に飛び出してきた最新型アンドロイド:Type-Zのプロトタイプ。源氏ほたると深い関係があり、メインストーリー第8章から出番があります。歌うべきポジションにいるキャラクターですがこの先楽曲がリリースされるかははっきり言ってわかりません。ただその期待を持てるストーリーになっていると思います。
虎牙優衣:芹澤優 @iRis_s_yu
2_wEiの開発者にして生みの親で、彼女たちのストーリーの鍵を握る人物です。サイドストーリー第2章に登場しているほか、2_wEiライブでは重要なナレーションもありました。
4.イベント編
ストーリーの項で書いたように、エビストのライブはストーリーから独立したものではなく地続きの展開を見られるイベントのようになっています。ではライブに行かないとストーリーが全く楽しめないのかというとそうではないと補足しておきたいのですが(9割以上はあくまでも音楽ライブですし、その場で話が進んで追いつけなくなるということもありません)、ストーリーの背景を知っているのと知らないのでは結構演出面の楽しみ方が変わってくるのも事実です。
最新のライブである2_wEiのワンマンは音楽ライブであると同時に、ストーリーの内容を受けた舞台演劇・キャラクターショーやディズニー等のアトラクション的な要素も見られ、この先もこういうメディアミックス的な傾向を持ったライブを作品の特色として続けていくのだろうと予想しています。
どちらの展開も追っている身としてはとてもエキサイティングな体験をできていますし、演者の魅力を活かしたアイドル的な戦略を取りながらも作品のストーリーやテーマ性を大切に作っている点に共感を持っています。
一方でライブ以外、CD等のリリイベはそういう物語からは離れた形で開催されています。その場限りの朗読劇が披露されたりすることもありますが、内容としては言わば番外編のようです。
概ねトークショーやミニライブにお渡し会が付いてくる構成で、つまり接近戦の機会があります。私はあまり行く方ではないですが、ライブや楽曲の感想を生で伝える機会があるのは嬉しいことだと思っています。
現実的な話だと、アプリ運営に加えてこういう定期的なイベント・ライブでのグッズ販売で収益を上げる構造になっているはずで、規模が小さいなりに(といってもZeppでライブもしているのですが)ここまでサービスが続いている理由のひとつはここにあるのだろうと思います。
青野菜月さんの引退によせて 8beat story♪ 8/pLanet!!『歩み 2016~2018…』
1.
今年もJリーグのシーズンが終わった。12月。移籍市場が活発になり、クラブを去る選手、スパイクを脱ぐ選手がいる。キャリアの長い期間をひとつのクラブで過ごし、サポーターに愛されてきた選手の引退も聞かれた。サンフレッチェ広島の森崎和幸、浦和レッズの平川忠亮、柏レイソルの栗澤僚一、FC東京の梶山陽平…。
特に広島で生まれ、ユース時代から20年以上をサンフレッチェ広島一筋で過ごしてきた森崎和幸の引退は私にとっても重要な出来事だった。学生時代、広島に住んでいた時によく試合を見に行ったというわけではないが、たくさん思い出のある土地だから卒業して離れてからもサンフレッチェを応援してきて、それは習慣になった。
二度のJ2降格、幾度もの病による離脱(私などには想像も及ばない辛さだったろう)。それを乗り越えて果たした三度のJ1優勝。決して派手ではないがチームにバランスとリズムをもたらす理知的で正確なプレー。カズは私にとって最高のセントラルミッドフィールダーだ。
そんなカズの今季限りでの引退はシーズンの終わりが近づく10月に発表された。
同じ頃、一人の声優が12月をもって引退すると発表された。8beat story♪の橘彩芽役で8/pLanet!!のメンバーである青野菜月だ。2年半という時間…アプリのリリース直後から追い続けてきた8beat story♪のキャストとの別れは、私の大好きなサッカー選手の引退と重なって見えた。
そして2018年12月8日に、現体制として最後のイベントが用意された。
「フロントと選手は通り過ぎる存在で、最後に残るのはディナモと俺達だけだ」とはクロアチアのディナモ・ザグレブのサポーターの言葉だが、彼女の引退を知った時に思い浮かんだのがこの言葉だった。安易に使えるような背景から出てきた言葉ではないと理解しているつもりだが、それでもサポーターとクラブの関係を端的に表していることも事実だ。
青野さんが去って新しい橘彩芽役のキャストがやってくる。8beat story♪という物語は続いていく。キャストの交代は当然織り込み済みではなく、ましてやキャラクターとキャストの重なりを大事に作られてきた。声優とサッカー選手は違う。でも人がやっている事、時として別れが付き物であることに変わりはない。
去る人がいても物語は続いていく。それは当然のこととして理解している。しかし、だからといって別れが寂しくなくなるわけではないし、「なぜ」と思わなくなるわけでもない。そして、いずれ去っていくと知っていてもサポーターが選手を愛さないわけがない(もっとも、サッカー選手の移籍はしばしばサポーターとの確執を生むものでもあるが)。
青野さんとは結局ここまでお渡し会で話すことがないままになってしまって、直接言葉を交わせたのはごく短いハイタッチぐらいだった。それでも彼女の凛々しく澄んだ美しい歌声が、ライブでのキレと表現力を備えたパフォーマンスが、彼女が演じた橘彩芽というキャラクターが大好きだった。メタル大好きで、音楽の話をよくしてくれるところも。
8/pLanet!!の曲を聴いていると、青野さんの引退という背景が付け加えられたことでそれまでと違う聞こえ方がして冷静になれなかった。だからこのタイミングでライバルユニットである2_wEiのアルバムがリリースされてライブまであったのはちょうど良かったのかもしれない。2_wEiはライブの中で「会いたい人に今会いに行け、伝えたいことを今伝えろ」と話していた。
別れが寂しいことに変わりはないが、こういうイベントがきちんと用意されるのはファンとして幸福なことだと思った。サッカー選手だって引退セレモニーを用意されることは当たり前ではない。カズはサポーターの感謝と賞賛の中で引退のスピーチをして、背番号と同じ8回胴上げされた。青野さんもそんな風に送り出せるといいなと、自分でも驚くほどテンション高く関東に向かうバスに乗った。
期日が迫る中でなんとか青野さんと社本さんに手紙を書いた。でも、この2カ月、どれだけ真剣に彼女の引退と向き合って、どれだけ8人の気持ちを想像できただろうか。
2.
『歩み 2016~2018…』。8人のこれまでの活動を振り返り、これからの未来に繋げていくという意味が込められたタイトル。横浜で私が、私達が見たのは整理され演出されたショーなんかではない、もっと剥き出しの生々しい感情だった。
ライブのイントロBGMと一緒に8人のこれまでの写真…お披露目のイベントからナンバリングライブは勿論、CD等のリリイベでの写真もモニターに映し出され開演となった。
彩芽と杏梨:青野さんと金魚さんが登場し、『おそろいさんぽ道』が流れる。4thライブ後にリリースされたから初披露だ。同じ3年生コンビでも大人になっていく事への抵抗の歌である『Still…』とは対照的。2人の中学時代の幼い声色で歌われ、アレンジもメロディも素朴で純粋そのもの。8beat story♪だからこそできるような、大好きな曲だ。スピッツ的な雰囲気とか、モータウンビートを刻むベースから斉藤和義の『歩いて帰ろう』を思い浮かべる。ペンライトは忘れてきたが、心地よいリズムに合わせて踊った。間奏の『アルプス一万尺』みたいな手遊びの振り付けがかわいらしい。
2人は歌詞にある通りの「お揃いの髪型」で登場した。「いつでもわたしたちの心に響いている 胸が躍る可愛いメロディ/前髪が長く伸びてもずっと君と一緒ね」がお気に入りだ。
それから8人の自己紹介とコールアンドレスポンス。これもそれも、青野さんと過ごす時間はこれが最後だという事実があってどこか異様な空気があったという気がする。
そしてこれまでの歩みを映像とともに振り返る、4チームに分かれてのクイズコーナー。実は初出しとなる1stライブ昼の部のアンコール、バースデーソングをソウルフルに歌う社本さん、4thのリハーサルの日だろうかZeppでBLACK SABBATHの公演情報を探す青野さんの映像などが流れた。過去のライブのセットリストを埋める難問などもあって、最終的に勝者はメイほたチーム(澤田さん・吉村さん)になった。ご褒美のケーキは後で8人で食べようねという話になったり、各チームでマイクオフで話して進行を聞いていなかったり、ハニプラの緩さが出ていて楽しく進んだ。
告知が2つ用意されていた。現在の8人で歌う最後の曲『つよがりDecember』の配信と4thライブのBD化決定。待ってましたとばかりにホールが揺れた。『DREAMER』のクラッカーが炸裂する瞬間は私にとってひとつのハイライト。その映像を見て胸が熱くなった。
朗読コーナーが続いた。去年夏はスケジュールの都合で和氣さんが参加できなかったため初のフルメンバーでの生朗読となる。8人が曇り空の下で満月を待ちながらこれまでのストーリーを振り返るという内容。メンバー集めの苦労、楽しかったこと、それぞれの困難、空乃かなで、2_wEiのこと。明るいことばかりではない。しかし、8人が不安に包まれた時、それを吹き飛ばすような、驚くほど美しく青い月をひなたが見つける。
最後に、遅れてやってきた「先生」を8人で呼ぶ。物語の中に私たちもいるのだと信じられるような呼び声。彩芽が先生に感謝を伝える。涙声だった。
青野さんと金魚さんの2人がステージに残って『Still…』が披露された。「残された時間は少しだけ」「もう少しだけ好きにさせてよ」。2人とも気迫があまりにも入り過ぎていて、大丈夫なのか、こんな歌があるかよとただ圧倒されるばかりだった。過去のライブと同じ曲だと思えなかった。
金魚さんはほとんど泣きながら歌っていた。ああなってまで無理に歌うことはないと思うくらいだった。しかしむしろ彼女たちにとってこそ歌う必要があったのではないか。
青野さんが彩芽への想いを語ってくれた。彼女の怖いもの苦手な部分に触れてくれたのが嬉しかった。彩芽を愛しながら演じてくれたことが伝わるスピーチだった。彩芽のことを考えても、青野さんには大きな葛藤があったに違いない。彼女はそういうことは言葉としては出さなかったけれど、そうだとしても決めた意思を尊敬するし、尊重したい。
それからソロ曲である『U・RA・RA』が初披露になった。『おそろいさんぽ道』にしても青野菜月の橘彩芽としてのやり残しは作らないとでも言いたげなセットリストで、でもそれが嬉しかった。彩芽と一緒に歌う青野さんはやっぱりめちゃめちゃ格好良くて、今日で最後なんだと思うと本当に卒業が惜しかった。
残る7人からそれぞれ手紙が読まれた。全部、素直すぎるくらい素直なメッセージだった。
まだ引退が信じられない。最後まで8人でやりたかった。8人でもっと大きい舞台に立ちたかった。練習の中で積極的にフォローに回ってくれたこと。役とパフォーマンスに関しての助言。いつもほたるが怒られていて「なんで…」と思っていたこと。8人のことをいつも考えてくれていたこと。『Distance』の、夜空のような澄んだ歌声が好き(心の底から素晴らしい喩えだと思った)。社本さんがセンターとして引っ張れるようサポートしてくれたこと。2ndのアンコールでセンターとして挨拶するよう促してくれて嬉しかったこと。またご飯を食べに行こう、お酒を飲もう。今までありがとう。
舞台の裏側はあくまで裏側で、今まで知ることのなかった献身を知るにつけ、本当に橘彩芽みたいな人だなと思うばかりだった。7人を受け止める姿も彩芽みたいで、彼女の存在の大きさを感じさせられた。
いつ決まっていつメンバーに知らされたか私たちが知ることはない。何を思いながらこの日までを過ごしてきたのか。「私の大好きな8/pLanet!!に会いに来てください」という言葉は、どんな想いを経て出てきたのか。私たちより長い時間があった中でも心の整理を付けられないまま12月8日を迎えて、それでもしっかり青野さんを送り出そうとしていることは確かだった。私も整理して納得したつもりでいて、しかしあまりにも切実な想いを目にすると堪えきれなかった。そこかしこからすすり泣く声が聞こえていた。
最後は8人で『BLUE MOON』を歌った。「君がいてくれるならば 何も怖くなかった」「大好きだよ これからもどうぞよろしくね」。そうするのが相応しい気がして胸に拳を当てながら口ずさんだ。
これからも8beatstory♪と8/pLanet!!と2_wEiをよろしくお願いしますと青野さんが最後に挨拶をする。手でL字を作って8の字を描き「8/pLanet!!でした」とステージを去っていく。終演。
3.
なんてイベントだったんだろう。参ったなとしか言いようがなかった。1週間ぐるぐると考えている。
イベントが始まるまでどのような内容でやるとも全く明かされず、座席ありだからトーク+ミニライブだろうなと考えていたけど、しっかり楽曲を見せるような気もしていた。実際、卒業や別れ、友情、絆がテーマの曲はいくつもあって今回の状況をそれを通した感動的なショーにしてしまう事もできたはずだった。でも自分の中には青野さんの卒業という事実をそういうものとして扱いたくない部分があって(あそこで曲を使って泣けと言われるのが嫌だったし、この先この別れという出来事ばかりが曲の中で強調される気がした)、披露された楽曲が「青野菜月の橘彩芽」を決算する最小限で構成されたことに安心したところがある。
できたはずだった、と言うよりもそうしたくなかった、できなかったのかもしれない。『Still…』を歌う金魚さんを、涙で言葉を詰まらせながら手紙を読むメンバーを見て「もっとライブ見たかったな」と言えるだろうか。
そういう姿も含めてショーだよ、と言われると反論できない。私たちはチケット代を払ってステージを見ている。でもあれをショーだとかドラマだとか資本主義だとか、あるいは感動とかエモいとか、簡単な言葉で片付けたくなかった。だから少しでも残しておきたくて文章にしているわけだが。
あれ以上歌わせられんと言いながらだが8人でステージに立って歌う場所が必要だった、もっと歌いたかっただろうことも確かでわけが分からない。
せめて、終演のアナウンスがあっても私を含めた観客が迷惑も承知で席を立たずアンコールを求めれば『ファンタジア』を最後に歌わせてあげられたのではないかと後悔じみた想いが浮かび上がる。やめてくれと言われるだろうが。ファン個人の力はあまりにも小さくどうにもならない事が多すぎるが、できるとしたら無理せずお金を落とすことと、声を上げることだ。先生として。
4.
今回のイベントの意味ーー別れそれ自体は辛くて寂しいだけだーーは、最後に8人でステージに立って決算をすることと、青野菜月という人の存在を心に刻み付けるための手続きだったという気がしている。文章を書いているとそう思う。残る7人にとってもファンにとっても。
格好良く歌う青野さんを見ることができた。8/pLanet!!にとっての彼女の存在の大きさ、2年半を過ごしたチームとしての結びつきは、手紙と声を通して私たちに伝わった。それはファンに見えない場所で行われてもよかったのかもしれないが、私たちにとっても意味があった。道は違えども、これからも8/pLanet!!の中に青野さんが一緒にいると信じることができたのだから。そのためのセレモニーだったと言ってもいい。
だから今回のイベントが開催されたことは本当に感謝してもしきれない。
青野さんは多くのものを残してくれた。これまで過ごした時間、橘彩芽という人物、たくさんの歌。
『Tiny Little Letter』メンバーに手紙を書くひと押しをくれる曲。『それゆけ!! 乙女のミッション!』エビストにのめり込んだひとつのきっかけ。『オーバードライブ』絶妙なボーカルとギターのバランス、そして最高難度の音ゲー。曲のことを書くときりがない。
『U・RA・RA』の歌詞に「いざ言ノ葉と共に行こう」「歩めよ乙女 共に行こう」とある。去っていくあなたがそれを歌うのかと、後日聴きながら笑ってしまった。寂しくないとも別れの痛みがないとも言えないが、しかしこれほど相応しく心強い言葉もないなと思う。
先生と、新しくなる8/pLanet!!と、音の杜の仲間たちと、8beat story♪という物語と。そして、橘彩芽と青野菜月がこれからも共にあること。
そんなことを信じられる。8人にとってもそうだと嬉しい。
青野菜月さん、ありがとうございました。