8/pLanet!! 今週はこれを聴け!! #1
これは8/pLanet!!(ハニプラ)の楽曲をレビュー、というか紹介していこうという趣旨の記事だ。
8 beat story♪(エビスト)のリリースから1年を過ぎ、ほとんど月に2曲のペースで追加されてきた楽曲は6月下旬の時点で35を数えている(アプリ内のみのリリースを含む)。一度にDL購入するには多すぎる数であり、公式サイドからも試聴動画等がなかなか追加されないので、興味はあるがどれからいけばいいのかという方の参考になればということで書くことにした。
いちファンとしてはアプリをDLしてキャラクターやストーリーも一緒に楽しんでもらいたい気持ちもあるが、楽曲開放にプレイヤーランクが必要なものも多く(補足:ランク関係なく曜日で開放される楽曲も多い)、まずは楽曲からという向きからするとハードルが高いと考えたのもある。
いくつかの回に分けた形式でやっていくつもりだが、リリース順とは関係なくピックアップしていくものとする。予め断っておくと週刊ペースで書いていけるかは不明である。
8/pLanet!!の楽曲はiTunesとレコチョクで配信されている。
1.BoyFriend (桜木ひなた・水瀬鈴音・姫咲杏梨・星宮ゆきな・源氏ほたる)
アルバム『8/pLanet!!』の3番目。
4つ打ちと乾いた音色のハンドクラップ、やや歪んだキーボードとノイジーなギターが絡まり、メンバー5人の可愛く切なげなボーカルが乗る。ハンドクラップといいAメロの裏拍といいリズムがかっこいい。
大人しい少女の片想いと決心の歌であるが、彼に話しかける恋敵に嫉妬したりと少しビターなところもある。可愛さと格好良さが同居する名曲。
1st, 2nd LIVEやリリイベ等で多く披露されている他、本来の歌唱メンバーでない吉岡美咲・青野菜月、澤田美晴もタイや大阪でパフォーマンスを見せており、代表曲と言って差し支えない。
作詞・作編曲は央海加亥。他には『Sugar Sugar Bee』『オーバードライブ』を手がけている。やはりどちらも恋する女の子の曲。
2.カナエルミライ(桜木ひなた・水瀬鈴音・神楽月・橘彩芽・姫咲杏梨)
初期10曲のひとつでアルバム『8/pLanet!!』の2曲目。軽快な4つ打ちリズムとシンプルなアレンジで音楽への愛、友情、夢を歌った爽やかな曲。
ハモりであったりサビで台詞っぽく入ってくるオブリガートが聴きどころ。キャラ性がよく出た歌い方になっており、特に桜木ひなた/社本悠の(もはや能天気とも言えるほど!)屈託のない声がすばらしい。センターを張っているだけあり、彼女の声がエビスト楽曲の軸にあってその明るい性格を決定付けていると私は思っている。
良い意味で垢抜けていない、素朴な雰囲気を持ったエビストらしさが詰まった楽曲である。最初のあたりはそこまででもと思っていたが聴いているうちにこの真っ直ぐさが沁みるようになってきた。
3.Lovely Summer (桜木ひなた・水瀬鈴音・神楽月・橘彩芽・姫咲杏梨・星宮ゆきな・源氏ほたる・メイ)
「1,2,3!」「oh-Yes! x2」とかのハイテンションな掛け声が大量に挿まれている、賑やかで楽しい夏の曲。8人全員参加。この天真爛漫さはエビストの重要な一面だ。
歌詞の他にもベンチャーズ的なテケテケもあって海の存在を感じられる。間奏・アウトロではギターとトランペットが大活躍しており、夏を謳歌するハニプラを効果的に演出してくれる。
8月リーディングイベントのミニライブではこの曲を見られるのでは、と期待している。季節柄ぴったりであるし。
作編曲はメインテーマ『ファンタジア』も提供している松田純一。隙がない。
4.History(水瀬鈴音・桜木ひなた・星宮ゆきな・源氏ほたる・メイ)
ヒップホップ的なビートのトラックをベースに、ショパンなどクラシックの名曲を複数サンプリング。歌詞は曲名通りにクラシック音楽の歴史を辿るという飛び道具感のある一曲。音楽賛歌。
「ハイドン モーツァルト ベートーヴェンらは古典派の時代」と覚え歌の要素もありインパクト抜群である。
といっても出落ちということは全くなく、クラシック音楽をモチーフとしているだけにピアノ・トランペット・ヴァイオリンが美しいハーモニーを奏でている。
エビストのひとつのテーマ、音楽とそれを愛する気持ちが表現されていることも重要だ。誰より音楽を愛し作曲家を志す水瀬鈴音(吉井彩実)と音楽の未来を救うべくやってきたメイ(澤田美晴)がこれをメインで歌うことはキャラクター性の反映でもあり、キャラクターの存在で一層楽曲が豊かになるのを実感できる。
作詞・作編曲は水瀬いのりへの曲提供もあるKOUGA。
5.それゆけ!!乙女のミッション! (桜木ひなた・橘彩芽・星宮ゆきな)
「夢と夢を繋いで まるでアマノハシダテ」「ピンクもパンクもレースのフリフリも まぜこぜでいきたいんです」反抗心・遊び心・貪欲さ溢れるハニプラ随一の元気なポップロック。イントロの「うー!はいはい!」がとても可愛い。
サビの早口のフレーズと縦ノリが見事にハマっており、私は聴いていると若干躁になる。オケの方もコミカルな音が取り入れられ、歌詞の持っている雰囲気と良いコンビネーションを見せている。
2nd LIVEのアンコールでは8人全員で披露され、コールも多数入ることからやはりライブで楽しい曲であることを証明した。
浮世離れした声の桜木ひなた/社本悠と星宮ゆきな/和氣あず未、ハニプラ内でも地に足着いた感のある橘彩芽/青野菜月という両極端のキャスティングはコミカル一辺倒にならずシリアスも含ませることに成功しているように思う。
作詞・作編曲はハニプラの10曲以上に関わっている2ndlifecrew。素朴で真っ直ぐ、切実さを備えた楽曲が素敵。
初期10曲のうち『Distance』『先手必勝スマイル』『Blue Moon』は氏の手による。
他に作曲で参加しているのは『ハピ♡メリ』『Still…』『全部、君のために』『秘密の部屋の女の子』、iTunes未配信の最新曲『ホントの気持ち』。
作詞・編曲での参加『Shiny』*1『Tiny Little Letter』『INNOCENT』『Error』。
0.アルバム『8/pLanet!!』について
初期の10曲を収録したアルバムである。個別での配信もあり、アルバムとして聴く(おまけにちょっと安い)か、個別DLなら各曲のジャケットを入手することになる。
メインテーマ『ファンタジア』から始まり『BoyFriend』『スクールディスコ』が特に強いインパクトを残すアルバムになっていると思う。他の曲も良いものが揃っていて、曲名通りに甘酸っぱく元気な『君はレモネード』とか、メンバー間、ファン(先生と呼ばれる)との関係に言及した『BLUE MOON』なども是非聴いてもらいたい。
比較的シンプルなバンド編成の楽曲が多く、一聴するとフックが弱いと感じるかもしれない(私がそうだった)が、そのシンプルさもハニプラのキャラクター性だなあと私は考えているところだ。(そういうものを何度か聴いているうちに好ましく思えてきたりする経験は皆さんもお持ちだと思う)
このような曲構成はアルバム通しで聴きやすくする助けにもなっている。
エビストからは現在30曲以上がリリースされているが、大人っぽくない、少女性のようなものがすべてに一貫しているように思う。それはエビスト的解釈によるEDM『Count It Down』も同様である(これもおすすめの一曲だ)。まず設定が学校で結成されたユニットだから、そのイメージも大事にされているのだろう。
ともかくここまでの曲紹介で書いてきたことと共通することになるが、素朴で無垢で純粋、そういうことが私がエビストに感じる魅力であると強調しておきたい。
まずはアルバムから、あるいは気になった曲から聴いていただき、この投稿がハニプラの楽曲を楽しむ一助となれば嬉しい。
*1:殺人的に可愛い