8 beat story♪ 8/pLanet!! 2nd Anniversary 4th Live 『On the pLaNET!!』 感想
赤坂BLITZでの3rdライブから半年、今回はZepp Divercity Tokyoにて開催された8 beat story♪(エビスト)の4thライブの感想・レポートである。
ライブ概要 http://chronusinc.jp/8beatstory/4thlive/form
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8 beat story♪と「想いを届ける」歌
やけにポエムなタイトルだなと思ったあなた。安心してほしい。本文はもっとポエムだから。
ことのはじまり
8 beat story♪ 8/pLanet!! 3rd Liveの翌日、2017年11月13日の夜。私は東京・有楽町のファミレスにいた。関西へ帰るバスを待ちながらフライドポテトか何かを食べ、前日に購入したアルバム『8』の歌詞カードを開いた。ライブの最後に披露され、アルバムにも収録されている新曲『Days』の歌詞にはこうあった。
「伝えたい想いも 言い出せなかったフレーズも この歌に込めて君まで届くかな」
すぐにこの歌詞が好きだと思った。同時にそれまで大事なことを見落としていたことに思い至った。歌に乗せて「想いを届ける」。これは今までも歌詞の中で何度も繰り返されてきた言葉ではないか。なぜ気付かなかったのだろう?
大切なことは形を変えながら繰り返されるものだ。エビストの場合、桜木ひなたの決め台詞は「届け!この想い」で、音ゲーをやっていればこれを日常的に聴くことになる。
この言葉の意味についてなんとか文章にしたかった。水瀬鈴音を主人公とする二次創作小説の構想が浮かび上がって書き始め、当然のごとく頓挫した。当然というのは私は凡そ創作行為を仕上げたことがないからだ。
4th Liveの日が迫りつつある。その日が来る前に、当初やろうとしたのとは別の形になるとしても書いて、伝えておきたい。
ということで、この文章は「届ける」「伝える」をキーワードにして、エビストが何を・どんな気持ちを届けようとしているのかを改めて考えるためのものだ。同時にエビストの作品性が何なのかを検討することにも繋がるだろう。
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8/pLanet!! 今週はこれを聴け!! #3
楽曲紹介第3回。
ハニプラ近況としては3rd Live Blu-rayの特典・発売日発表 (3/30)、『Fuzzy N' Wonky』『Twinkle Snow』 『おとめ☆de☆Night』(現在ゲーム内のみ、曜日限定)のリリースといったものがある。
『おとめ☆de☆Night』は『スクールディスコ』『U・RA・RA』等を制作したチームKoTa得意の賑やかな和風ダンスチューン。歌詞とリズムの噛み合いが気持ち良い名曲ということでおすすめ。
1.秘密の部屋の女の子
Vo:源氏ほたる/メイ
作詞・作曲・編曲:2ndlifecrew
ラップとも朗読ともつかないイントロで始まる、メルヘンな曲調と歌詞が特徴。ジャケットから見てもおとぎ話とか人形といったモチーフがある。
歌詞は部屋の中から連れ出してくれる人を待つ少女のお話になっている。「心の中の恋心/だれにも伝えられない」「この鏡に映る私/変わらない姿のまま/待ち続けてる」という歌詞からは可愛さよりもむしろ寂しさや閉塞感が感じられる。
少女の姿に喩えられているのは心の奥で燻っている恋心、願い、夢…といったものだ。「心の中の恋心/君に伝えたいよ!」と叫んで、聴く者に訴えかけてくる、そんな力強さと美しさのある曲。
澤田美晴と吉村那奈美のフラットで繊細なボーカルがこのような曲世界に合っている。
ハニプラでベスト盤を作れと言われたら迷わず入れる。
2.Tiny Little Letter
Vo:神楽月/橘彩芽/姫咲杏梨
作詞:2ndlifecrew
作曲編曲:meta
ピアノ主体でアレンジされた滑らかで美しい曲。落ちサビからの複雑なピアノのフレーズが格好いい。ボーカルの人選も大人っぽさ・力強さの方に針を振っている。特に青野菜月の伸びやかで澄んだ声を聴くならばこれじゃないかと思う。
それぞれ特徴のある8人の中から自由な組み合わせで曲を作っているので、多様さ意外さが見られるのもハニプラの良いところだ。
歌詞は憧れの誰かに宛てた手紙がテーマ。ファンレターやエビストニュースのおたよりを書く時に聴こう。
3.オーバードライブ
Vo.橘彩芽/水瀬鈴音/源氏ほたる/メイ
作詞作曲編曲:央海加亥
切ないメロディで届かないままに熱を上げる片想いを歌う。それを駆り立てるようなキーボードのリフとバックの分厚いギターが格好いい。
オルタナティブロックとか00年代〜のギターロックバンドを下敷きにアイドル楽曲を作ったような印象を受け、個人的にはハニプラの中で最もロックなポジションにいる曲になっている。ブリッジでのギターのロングトーン、ギターソロのフレーズやリバーブ強めの音が聴きどころ、というか好みの真ん中である。
激しい情念よりも切なさが先行する、やや儚げなボーカルも良い。
4.Days
Vo. 桜木ひなた/水瀬鈴音/神楽月/橘彩芽/姫咲杏梨/星宮ゆきな/源氏ほたる/メイ
作詞作曲:NakaGo-Chi
編曲:meta
3rd Liveの最後に初披露された全員曲。
放課後の帰り道をテーマにした優しげなミドルテンポのナンバーでまさにライブの締めくくりに相応しい曲になっている。『あの日の約束』や『トキメキの15センチ』のNakaGo-Chiらしい、可愛くて親しみやすいグッドメロディ。どこか合唱曲や童謡っぽい。
「伝えたい想いも/言い出せなかったフレーズも/この歌に込めて君まで届くかな」という歌詞がある。「(歌・音楽に乗せて]想いを届ける・伝える」というのは頻出の言葉で、桜木ひなたのキャッチコピーでもある。面と向かって言えないことでも手紙であれば書けることがあるように、音楽という形であればこそ伝えたり、より効果的に表現できたりする。エビストが見せようとしているのはそういうことなのだろうなと最近少し考えている。
『Days』はベストアルバム『8』にのみ収録(ベストといっても他にCD媒体でアルバムは出ていないが)されている。当面ゲーム内やiTSでの配信はないとのことで買わないと聴けない。
アルバムは他の選曲を見てもこれからハニプラを始めたいと思っている人にはちょうどいい1枚になっているはずだ。1stから3rd Liveのハイライトを集めたとも言えるような選曲にも見える。装丁・ジャケットを見ても小窓から顔を出すキャラクターなど、パッケージを手に取る喜びがあり、細かい部分だけれどもエビストのグッズやイラストの展開はこういう楽しさが大事にされていると感じる。
今回はここまで。